《人間とは何か?》 非常に興味のある問題です。自分を通して考える人間、他者を通して自分を発見する人間。肉体を持ち、心を抱き、世の中に生を受けて、やがて土に返ってゆく束の間の人生。時代と言う背景の中で男と女と言う性の存在が、それに彩りを加え、ドラマが演じられます。
人間の持つ悲哀と宿命に目を向けての(表現)が私の長年のテーマであります。私の作品の様式はしばしば(Sur Realism= 超現実主義) や、第2次世界大戦後のウィーンで展開した(Fantastic Realism=幻想写実主義)に属すると言われますが、個人的には自分の様式はむしろ Fantastic Expressionism (幻想表現主義)とでも呼びたい。なぜなら幻想的形態を使用しての(表現)を重要視しているからです。私にとって現代の不安の表現にもっとも適しているからです。(輪廻、転生)のタイトルを多く作品でとりあげていますが、これは宗教的な意味合いではなく、逃げ場をなくした現代の人間の強烈な不安の一つの拠り所としての安らぎの場としての(輪廻、転生)であります。
(春口光義)
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